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シンデレラになれなかったすべての人たちへ|TOMOO『Cinderella』レビュー

本日レビューするのは配信スタートしたばかりのこの曲。

 

繊細な歌詞表現美しいメロディーラインが持ち味のミュージシャンで、ブログ主もその独特な感性に魅了された一人です。彼女の新曲がリリースされるたびに「どんな歌詞が聴けるんだろう」とワクワクしてしまいます。
ブログ主はこれまでどちらかといえばメロディーに重きを置いて音楽を聴くタイプだったんですが、彼女を知ってからは、音楽を構成する要素として歌詞がメロディーと同じくらい重要だと考えるようになりました。今の時代にはそぐわない表現かもしれませんが、女性の繊細な感性だからこそ生み出すことのできる歌詞がたくさん散りばめられています。触れたらすぐに壊れてしまいそうな宝石箱みたいに

今回の新曲の中で、一番しびれた歌詞がこちら。

最寄り駅に着いたら 霧雨がタクシーの列冷やしてるTOMOO『Cinderella』, Lyrics:TOMOO

この曲は恋がうまく行かなかった男女の様子を女性側の視点から描いた作品です。恋が終わってしまい、行き場のない気持ちを抱えたまま最寄り駅に着くと、降るとも降らないとも言えないような雨が辺りに満たされていて、普段なら気にも留めないタクシーを待つ人の列さえ物悲しく見えてしまう女性の心情を風景とリンクさせて、見事に表現した歌詞だと思います。

あと、この部分も外せない

変われないままの私を許してさ
君はもう誰かに出会って 新しいコートが似合ってるよTOMOO『Cinderella』, Lyrics:TOMOO

婉曲表現の極致だと思います。シンプルに「新しい彼女ができてるよ」とか「新しい人の隣で笑ってるよ」としても十分成立するところを、「コートが似合ってるよ」だなんて。脱帽です…。
※ここからは少しブログ主の妄想にお付き合いください。
コートって自分の一番外側にあるじゃないですか。ある意味その人を包み込む殻として、その人の想いや情熱をよく表す部分だと思うんですよ。恋人が変わればその人の内面も変わって、着たいコートも変わる。
私といた頃に似合ってたコートを君はもう着たいと思わないんだね。悲しすぎる。

歌詞の素晴らしさばかり語ってしまいましたが、メロディーも非常にドラマティックな構成となっています。この曲は
(Aメロ→Bメロ)×2→サビ→Cメロ→転調して大サビ
という流れで進んでいくんですが、サビの「変われないままの私を許してさ」の部分のコードが1回目(MVの2:36ごろ)と2回目(3:43ごろ)で変わっていて、1回目を聴いた後に2回目の進行が来るとめちゃくちゃ感動するので、ぜひ聴いてみてください。

サビ1st
サビ2nd

現在TOMOOさんは全国5大都市を巡るライブツアー"BEAT"を開催中です。ブログ主もファイナルとなる東京公演に参加する予定で、『Cinderella』を生で聴けるのを今から楽しみにしています。

それではまた!